お客さまの課題
・営業データをリアルタイムで共有できていない。
・顧客コンタクト履歴が蓄積されていない。
・DX化の要望を100%実現できるベンダーが存在しない。
導入したもの
・Sales Cloud
・CRM Analytics
効果
・顧客や商談に関する情報を蓄積し、一元管理ができるようになった。
・営業データをリアルタイムで共有でき、業務スピードがアップ。
・営業日報に上司や社長のコメントが付くため、モチベーションアップにつながった。
貴社の事業内容について教えてください
株式会社シタラ興産は、総合リサイクル企業として産業廃棄物の収集運搬、中間処理、リサイクルを手がけており、埼玉県深谷市が本拠地であることから主な営業エリアは首都圏・新潟県・静岡県で、お取引先は1,000社を超えております。
同社ではデータ管理がリアルタイムで行えないことや顧客との履歴がブラックボックスになってしまったという課題を解決するためにSalesforceを導入しました。導入のきっかけや、今後の運用についてなどを代表取締役の設樂 竜也さま、常務取締役 経営企画部担当の爲貝 正博さま、専務取締役の設樂 賢太さま、営業部の髙田 康輔さまに伺いました。
Saleaforceを導入する以前は、どのような状態でしょうか?
爲貝 正博さま:
かつてはデータ管理が全くできていない状態だったので、お客さまごとの売上の増減をデータ化し、営業活動のプロセスを見える化するために営業日報を導入するなどして、Excelを使って営業の管理データを作るところから始めました。将来的にはCRMを導入することを視野に入れていました。
Excelを使ったデータ管理の仕組みはできたのですが、リアルタイムにデータの共有ができないという課題に直面しました。当時は毎月1回の営業推進会議で共有していましたが、営業データ・営業日報などの月1回しか見られないのでは少なすぎます。リアルタイムで見られてこそのデータですから、大きな課題となりました。
またお客さまとコンタクトした履歴を蓄積する仕組みもありませんでした。例えば、10年前にあるお客さまにご迷惑をおかけしたことがあったとします。そのお客さまにもう1度アプローチする際に10年にどんなことがあったのかを知っているのと知らないのでは大きな違いがあります。もし何も知らずにお客さまとお話してしまったら、お客さまとの関係は崩れてしまいますが、そのお客さまとのコンタクト履歴を見て10年前にご迷惑をおかけしたことがわかれば、今回はどんな解決策を提案すべきかのヒントが得られます。良い提案であれば、再度ご検討いただける可能性が出てきます。
このように営業のデータとコンタクト履歴をリアルタイムで共有することが課題として浮き彫りになりましたので、早期にCRMを導入する必要があると思い、社長の理解を得た上で導入の検討を始めました。
"DX"に取り組んだ経緯を教えてください
設樂 竜也さま:
Excelを使ったデータ管理の課題が見えてきた時点でCRMの導入を常務から提案され、すぐに進めることにしました。初めからSalesforceを知っていたわけではありません。CRMの導入を決めた後に2社ほどのベンダーさんに「こんなことができたらいいな」という程度の要望を投げかけました。返ってきた答えは「50%ぐらいは実現できますが、残りの50%はできません」というものでした。このまま50%で妥協するのか、100%を目指すのか悩んでいたときに取引のあった埼玉りそな銀行深谷支店のオンラインセミナーに参加したところ、りそなデジタルハブが設立されたことを知り、当時の支店長さんに紹介をお願いしました。
セミナーを聞いて自分なりにわかったのは、りそなデジタルハブさんは自分たちだけですべてを解決するのではなく、弊社のようなユーザーとSalesforceのようなベンダーをつなぐハブ機能を持った会社だということです。私の「こんなことができたらいいな」という要望もきちんと受け止めてくれて適切なベンダーを選んでくれるのが、りそなデジタルハブさんの強みで、ようやくDX面での相談相手ができたと感じました。
Salesforceを導入して、どのように営業データを活用していますか?
設樂 賢太さま:
弊社は数字に無頓着というか、どんぶり勘定でした。「埼玉県でどのくらいの売上がありますか?」と聞かれて、「結構あります」と答えていたような状態です。お客さまごの売上、搬入量、原価率などを正確に把握できていませんでした。そのため、各人の記憶に頼ることになるので、記憶違い、売上予測のブレなお、経営管理上やってはいけないことが頻発しました。
今では、営業データを見れば今年の4月の値上げ後に売上が減少しているお客さまがすぐわかるので、的確にフォローできています。お客さまとどういうコンタクトをしたかが蓄積されるので、営業プロセスが見える化されます。契約をとってきたことだけを評価するのではなく、契約を取れなかった場合でもどう考えて、どうアプローチしたかも評価の対象にしています。
営業データとお客さまとのコンタクトを見るツールとしてSalesforceは欠かせないものになっています。今では、営業データを毎朝見るのが楽しみになりました。もし明日から使えなくなったら、頭を抱えてしまいますね。
Salesforceを導入して、営業活動はどう変わりましたか?
髙田 康輔さま:
Salesforceが導入されて営業担当として感じるのは、業務がスピードアップしたことです。営業日報を入力すると、上司から指示や補足などがすぐに届きます。また、スマートフォンでも使えるので、出先や車の中でもアクセスできるのも大きなメリットです。売上が増えたお客さまには迅速にお礼の連絡ができるので、お客さまとのコンタクトを早く、内容のあるものにできています。
営業日報にも工夫がありまして、活動を点数化しています。例えば、面談すると何点、見積提示すると何点、新規開拓は2倍になるといった具合です。営業日報を社長が見て、「あと何点だから、頑張ろう!」「電話1本かければ、点数達成できるぞ!」といったコメントを書いてくれますので、モチベーションにつながります。
また毎月の営業推進会議では、入力データをSalesforceのダッシュボードで見ながら、議論しています。
"DX"を活用した将来をどのように描いておられますか?
設樂 竜也さま:
会社を先代から引き継いだ時から、より良いサービスを提供したいという強い思いがあります。そのためには、自分たちの会社だけをDX化するだけでは片手落ちだと感じています。やはり、お客さまあっての事業です。お客さまにもDX化のメリットを提供したいと考えています。まだ構想段階なのですが、スマートフォン上のアプリを使って、問い合わせ、配車、搬入、処理といった一連の流れを完結できるサービスを提供するのが目標です。
りそなデジタルハブさんのご協力を得て、Salesforceを導入し、DX化を進めて弊社内はかなり改善できました。これを社内にとどめずにお客さまにも提供して、ともに便利になり、お客さまに「同じ値段だったら、サービス面を含めてシタラ興産がいいよね」と言ってもらえるのが理想だと思います。
弊社のような中小企業ですと、実現したいアイデアがあり、ある会社にお願いして「80%までは実現できますが、残りの20%はできません」と言われてしまうと、それ以上打つ手がなくなります。残りの20%をこうして欲しいというイメージはあっても言葉で表現するのがむずかしいので、話を聞いてもらってその部分を具現化できれば、イメージにぴったりなソリューションができると思っています。
またりそなグループさんは、顧客に寄り添って足りていない部分を提案することが強みだと感じています。今回、りそなデジタルハブさんは弊社に不足しているものはこれじゃないかと、見せてくれました。寄り添って提案するという視線が他のベンダーさんとは全く違うので、お付き合いしやすいんだと感じます。
りそなデジタルハブより一言
りそなグループはSalesforceの導入に際し、設樂社長の強い変革のご意向に応えることができたことを光栄に思っています。提案からわずか2か月で2022年7月に成約を得るというスピード決裁を実現することができました。
りそなグループは総合力を活かし、将来の成功に向けて協力し、りそなデジタルハブを通じてベンダーやサービスに偏らず、お客さまの夢を実現する力を持っています。さらにDXを駆使してお客さまを成功に導くことを目指します。お客さまがまだ気づかれていない課題を見つけ出し、解決策を提案する文化を大切にしており、りそなデジタルハブも同様にお客さまに寄り添い、問題を発見し解決策を模索していきたいと考えております。
シタラ興産さまを訪問しますと、いつも非常に丁寧に応対していただきますし、皆さんが元気で明るい印象を強く受けます。このあたりが設樂社長のおっしゃる「より良いサービスを提供する」ことの原動力になっていると感じます。
取材日:2023年7月4日
※記載の部署名は、取材時の名称です。